私が医師を志した理由
医師を目指すまで
私は、開業医である父のもとで育ちました。
「将来困らないように、手に職をつけさせたい」という親の思いから、小学3年生の頃には中学受験のため塾に通っていました。
しかし、やらされる勉強はなかなか身が入らず、内心イヤイヤ通っていたこともあり、中学受験は志望校に合格できませんでした。
中学校では野球部に所属し、部活動に熱中する毎日。
勉強よりも仲間と白球を追いかける時間のほうが圧倒的に長かったように思います。
高校に進学し、将来について真剣に考えはじめた頃、医師という選択肢は頭の中にありました。
しかしその一方で、
「親と同じ道を歩むことは、用意されたレールの上を走るだけではないか」
という気持ちがあり、自分自身の進むべき道を模索していました。
もともと動物が好きだったこともあり、一時期は獣医師を志したこともあります。
命に関わる責任という点では医師と共通していますが、
「自分にしかできない形で、人や社会に貢献したい」
という想いが次第に強くなり、心の奥では“人と関わる仕事”への関心が芽生えていたのだと思います。
医師という職業を「自分の目標」として意識した瞬間
高校時代のある日、体調を崩して父のクリニックを受診したときのことです。
点滴を受けながら診察室の外で父と患者様のやり取りを耳にしていました。
父は決して言葉遣いが丁寧とはいえませんでした。(今の時代なら少しヒヤッとするかもしれません…笑)
しかし、そのやり取りの中で 患者様が父を心から信頼していることが、はっきりと伝わってきました。
その姿を見て、
“医師としての父の姿は、なんて格好いいのだろう”
と強く感じました。
――「人の心に寄り添い、信頼される医師になりたい」。
その想いが、自然と胸に芽生えた瞬間でした。
医師という仕事は、病気を治すだけではなく、不安を抱える人の心に寄り添い、人生そのものを支える尊い職業であると感じました。
その日を境に、医師は私にとって “憧れ” から “目標” に変わりました。
医学部へ、そして最高の仲間との時間
その後、医師になるという強い想いを持って学び、現役で関西医科大学に合格しました。
大学では、素晴らしい仲間たちに恵まれ、「よく遊び、よく学んだ」最高の6年間を過ごしました。
日々の学びを通して、医療は技術や知識だけではなく、人の心に寄り添う姿勢が最も大切である という考えが、私の中でより確かなものとなりました。
今もなお、あの日父の診察室で感じた気持ちは、私の原点として心に深く刻まれています。
これからも、患者様お一人おひとりに誠実に向き合い、その人生に寄り添う医療を続けてまいります。
いけざわ神戸元町クリニック
院長 池澤 伸明

