Instagram
TOPへ TOPへ

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは逆流性食道炎とは、胃液や胃の内容物が繰り返し逆流することで、食道粘膜で炎症が起こる病気です。胃もたれやのどのヒリヒリ感、ゲップの増加など、さまざまな症状を伴います。
食道と胃のあいだにある下部食道括約筋の機能低下、胃酸の過剰な分泌などが主な原因となります。
市販の胃薬などでも症状の改善は可能ですが、根本的な治療を行わなければ慢性化するおそれがあります。また、長期にわたって食道粘膜で炎症が続くことで、食道がんの発症リスクが高くなると言われています。
気になる症状がございましたら、お早目に当クリニックにご相談ください。

逆流性食道炎の症状チェック

逆流性食道炎の症状チェック以下のような不快な症状がございましたら、お早目にご相談ください。

  • 胃もたれ
  • 胸やけ
  • のどのヒリヒリ感
  • 食べ物の飲み込みづらさ
  • 酸っぱいものがこみ上げてくる(呑酸)
  • お腹の張り
  • ゲップが増えた
  • 食後、胸や胃が気持ち悪い
  • すぐに満腹になる

逆流性食道炎の原因

下部食道括約筋の緩み

食道と胃のあいだにある「下部食道括約筋」は通常、口から入った食べ物が通る時だけ開き、逆流を防いでいます。しかし、加齢などを原因としてこの機能が少しずつ低下すると、食事以外の時間にも緩みが生じ、逆流が起こりやすくなります。

食道裂孔の緩み

食道裂孔とは、胸腔と腹腔を隔てる横隔膜にあいている、食道が通るための穴です。下部食道括約筋と同様、加齢などにより徐々に緩み、胃液・胃の内容物の逆流が起こりやすくなります。
緩みがひどくなると、胃の上部が胸腔側へと飛び出す「食道裂孔ヘルニア」を発症することもあります。

胃酸の過剰な分泌

食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、刺激物の摂り過ぎなどによって胃酸が過剰に分泌されると、それだけ逆流が起こりやすくなります。

腹圧の上昇

腹腔内部にかかる圧力を指す「腹圧」が上昇すると、胃液や胃の内容物の逆流が起こりやすくなります。腹圧は、以下のような要因によって上昇します。

  • 肥満
  • 妊娠
  • 猫背などの不良姿勢
  • 前屈みの姿勢(仕事・家事)
  • ベルトや衣類による強い締め付け

薬の副作用

喘息・心臓病・高血圧の治療において、下部食道括約筋の緩みを副作用に持つお薬が処方されることがあります。
受診の際には、お薬手帳をお持ちください。

逆流性食道炎を放置すると‥
がんになる!?

逆流性食道炎は、私たちにとって比較的身近な病気です。ただ、身近ではあっても、決して放置していい・危険性が低い病気というわけではありません。
放置していると、食道狭窄、バレット食道、バレット腺がんの発症リスクが高まります。

食道狭窄

繰り返し食道粘膜で炎症が起こることで、瘢痕性の狭窄(狭くなること)が生じます。食道が狭くなれば、食べ物の飲み込みづらくなります。食道狭窄はその他、進行性の食道がんによって生じることもあります。

バレット食道

繰り返しの炎症により、食道下部の粘膜が、胃の粘膜のように変性(胃上皮化成)してしまうことを指します。
胃上皮化成の変化の長さによりSSBE(short segmental bareet’s esophagaus)とLSBE(long segmental bareet’s esophagaus)に分類されます。
バレット食道は、次にご紹介するバレット腺がんの発生母地となります。

バレット腺がん

バレット腺がんとは、バレット食道を原因として発症する特殊な食道がんです。LSBEになるとバレット腺がんの発生リスクが高くなります。悪性度の高いがんですが、逆流性食道炎にならないこと、なった場合にきちんと治療を行うことで、その発症リスクを抑えることができます。

逆流性食道炎の検査・診断

逆流性食道炎の検査・診断問診では、症状、生活習慣、既往歴、服用中の薬などについてお伺いします。
その上で、胃カメラ検査を行い診断します。もちろん、食道狭窄・バレット食道・バレット腺がんの有無も確認します。組織を採取し、病理検査を行うことも可能です。
当クリニックでは、内視鏡の専門医・指導医による正確な胃カメラ検査を提供しております。鎮静剤を用いて、眠ったままほとんど苦痛なく胃カメラ検査を受けられますので、安心してご相談ください。

胃カメラ検査の詳細はこちらへ

逆流性食道炎の治療

逆流性食道炎と診断された場合には、主に以下のような治療を行います。

食事の見直し

食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、刺激物の摂り過ぎは、胃酸の分泌を盛んにするため、控えましょう。炭酸飲料、コーヒーの飲み過ぎにも注意が必要です。また、食べてすぐに横になると、胃液の逆流が起こりやすくなります。夕食は、遅くなり過ぎないようにお気をつけください。

生活習慣の改善

肥満、猫背などの不良姿勢、仕事や家事における前屈みの姿勢、ベルト・衣類による腹部の締め付けは、胃液の逆流の原因となるため改善します。肥満ぎみの方は、食事療法・運動療法によるダイエットも必要です。

薬物療法

主に、胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、消化管の蠕動運動を促進する薬などを使用します。
薬の副作用を原因として逆流性食道炎を発症している場合には、その薬の種類・量の変更などを検討します。

内視鏡治療

胃食道逆流症の治療では、まず胃酸の分泌を抑える薬による内科的治療が第一選択となります。しかし、この疾患は再発しやすく、薬を中止すると症状が再び現れるケースが多いため、多くの患者さんが長期間にわたって薬を服用し続ける必要があります。さらに、薬の効果が十分に得られない患者さんも一定数存在します。
従来、薬で効果が見られない場合には外科手術が検討されてきましたが、近年では新たな選択肢として「内視鏡的逆流防止粘膜切除術(Anti-reflux Mucosectomy:ARMS)」という治療法が登場しました。
ARMSは、内視鏡を用いて緩んだ噴門部(胃と食道の接合部)を再形成し、胃酸の逆流を防止するという方法で、体への負担も比較的少ないのが特徴です。

外科的治療

保存的治療で十分な効果が得られない場合には、噴門形成術などの手術を検討します。手術が必要になった場合には、提携する病院をご紹介します。

逆流性食道炎の方には
大根おろし?飲むヨーグルト?バナナ?

逆流性食道炎に
大根おろしが良い?

逆流性食道炎に大根おろしが良い?大根には、胃薬にも使用されるジアスターゼが含まれています。ジアスターゼには、タンパク質の分解を促進し、消化を助ける作用があります。
ジアスターゼは、加熱すると破壊されてしまうため、大根おろしとして、お肉などと一緒に食べることをおすすめします。その他、かぶ、ヤマイモにもジアスターゼが含まれています。

逆流性食道炎に
飲むヨーグルトが良い?

消化が良いヨーグルトは、逆流性食道炎の予防や改善に有効と言われています。また、胃の粘膜を保護し、胃炎などを予防する効果も期待できます。

逆流性食道炎に
バナナが良い?

バナナを含め、フルーツは全般的に消化が良いため、逆流性食道炎の予防・改善に有効と考えられます。
ただし、他の食品にも言えることですが、過剰摂取にならいようご注意ください。

逆流を減らせる寝方は?!

立っている・座っている時と比べると、横になった時には、胃液が食道側へと流れやすくなります。
これを防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 食後は胃酸の分泌が盛んになります。食後、3時間は横にならないようにしましょう。特に夕食は、就寝時間から逆算して早めに摂りましょう。
  • 横になる時には、上半身をなだらかに、やや高くすることで胃液の逆流を防ぐことができます。
  • 特に、身体の左側を下にして横向きに寝ると、胃酸の逆流が起こりにくくなることが分かっています。

監修 池澤伸明


  • 2006年
    関西医科大学医学部医学科卒業
  • 2006年-2008年
    順天堂大学医学部附属順天堂医院にて
    臨床研修医
  • 2008年-2009年
    さいたま赤十字病院 救急医学科
  • 2009年-2012年
    さいたま赤十字病院 消化器内科
  • 2012年-2015年
    国立がん研究センター中央病院 
    消化管内視鏡科レジデント
  • 2015年-2018年
    明石医療センター 消化器内科 医長
  • 2018年-2023年
    神戸大学医学部附属病院 消化器内科 医員