意図せず体重減少で
お悩みの方はご相談ください
食習慣や運動習慣がこれまで通りであるにもかかわらず、1ヶ月で3kg以上の体重減少があった場合には、何らかの異常のサインと捉え、受診が必要です。また上記の基準に当てはまらない場合であっても、以下のような気になる症状・変化があれば、お早目に当クリニックにご相談ください。

- 食習慣、運動習慣に変化がないのに服やベルトが緩くなった
- 体重が減ったが、理由が分からない
- 体重減少と共に、食欲低下がある
- 体重減少があるが、むしろ食欲は増えている
糖尿病、がん、膵炎など、さまざまな病気が影響して、体重減少が起こることがあります。
体重減少の原因
体重は、摂取エネルギーを消費エネルギーが上回った時に減少します。
摂取エネルギーが減る原因、消費エネルギーが増える原因には、以下のようなものがあります。
摂取エネルギー減少の原因
- 食事制限(ダイエット)
- 嚥下障害
- 食欲低下
- 糖尿病
- 胃や腸の病気 など
消費エネルギー増加の原因
- 運動量の増加
- がん
- 関節リウマチなどの炎症性疾患
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病) など
栄養の不足や偏り
栄養が全体的に不足していたり、偏りがある場合には、摂取エネルギーが減り、体重も減少します。無理なダイエットなどで起こることの多い体重減少です。
消化・吸収の不良
バランスの良い十分な量の食事を摂ったとしても、胃腸での消化・吸収がうまくいかない場合には、摂取エネルギーが減り、体重も減少します。
代謝・内分泌異常
糖尿病や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、食欲亢進・体重減少の症状が見られます。またがんになると、がん細胞のエネルギー消費、代謝バランスの乱れによって、体重が減少します。
炎症性疾患
関節リウマチ、結核といった炎症性疾患によって消費エネルギーが増えることで、体重減少が生じることがあります。
サルコペニア、フレイル
加齢・病気・怪我などを原因として筋力・身体機能が低下することを「サルコペニア」、それに加えて精神的・心理的・社会的な衰弱が起こることを「フレイル」と言います。筋力の低下、食欲の低下、食事や健康への興味の低下などから、しばしば体重減少をきたします。
体重減少を伴う病気
慢性膵炎
大量飲酒などを原因として膵臓の細胞が破壊され、線維化する病気です。腹痛、腹部膨満感、倦怠感、食欲不振、体重減少などの症状を伴います。
すい臓がん
初期にはほぼ無症状であるものの、ある程度進行すると上腹部痛や食欲不振、体重減少、黄疸などの症状が現れます。
胆道がん
胆嚢や胆管で生じるがんです。全身倦怠感、食欲不振、体重減少、吐き気・嘔吐といった症状を伴います。
胃・十二指腸潰瘍
主にピロリ菌感染を原因として、胃・十二指腸の粘膜がえぐれる病気です。胃やみぞおちの痛み、胃もたれ、食欲不振、体重減少、場合によっては吐血・下血といった症状を伴います。
糖尿病
膵臓からのインスリンの分泌が低下する、インスリンの効きが悪くなることで、慢性的に血糖値が高くなる病気です。のどの渇き、多飲、多尿・頻尿、体重減少、異常な空腹感・食欲亢進などの症状が、ある程度進行してから現れます。
甲状腺機能亢進症
(バセドウ病)
甲状腺ホルモンの過剰な分泌によって、新陳代謝が亢進する病気です。疲労感・倦怠感、食欲亢進、体重減少、多汗、頻脈などの症状を伴います。
うつ病
主にストレスを原因として、著しい気分の落ち込みが続く病気です。イライラ、何も楽しめない、落ち着きがない、食欲の亢進または低下、体重の増加または減少、不眠などの症状が見られます。
体重減少のときの検査
問診では、体重がどれくらいの期間でどれだけ減ったか、その他の症状、最近の生活習慣、既往歴・家族歴、服用中の薬などについてお尋ねします。
生活習慣の変化以外に原因がある病的な体重減少が疑われる場合には、血液検査、尿検査、便潜血検査、胸部レントゲン検査、甲状腺・腹部超音波検査、胃カメラ検査、大腸カメラ検査などを行います。もちろん、これらの検査すべてが必ず必要となるわけではなく、選択的に実施します。
当クリニックでは、内視鏡の専門医・指導医による胃カメラ検査・大腸カメラ検査を行っております。内視鏡検査が初めてだという方も、安心してご相談ください。
体重減少の治療
何らかの病気によって体重減少が起こっている場合には、その病気に対する治療を行うことで、適正体重の維持、症状の改善を図ります。
食習慣・運動習慣の変化によって体重減少が起こっている場合には、特に治療の必要はありません。ただし、痩せすぎの方、無理なダイエットをしている方、食習慣・運動習慣に問題がある方については、食事療法・運動療法が必要です。食欲をアップさせたり、体重を増やすことを目的とした、以下のような指導を行います。

- 生活リズムの改善(起床・就寝時刻、食事の時間帯)
- 食事の回数を増やす
- 味付けの工夫
- 食事環境の調整
- 食事の香りづけ(味覚障害がある場合など)
- 高カロリーサプリメントの摂取
- 適度な運動
- 十分な睡眠
体重減少を防ぐ!
ストレスと食生活の工夫
食生活においてできる工夫
必要な食事量を維持すること、そしてその中でタンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。量を食べることが難しい場合には、少量でも高カロリーな食品(ナッツ類・アボカド等)、高カロリーサプリメントを取り入れるという方法もあります。
肥満の方がダイエットをする場合には、食事を抜く等の無理はせず、運動と組み合わせた緩やかな、適正体重までの減量を目指しましょう。
ストレスに対してできる工夫
スポーツ、趣味、旅行などで小まめにストレスを解消しましょう。また、ストレスというと精神的なストレスばかりに目が向きますが、肉体的なストレスを解消することも大切です。過労、運動による酷使はできるだけ避け、十分な睡眠・休養をとりましょう。
監修 池澤伸明

- 2006年
関西医科大学医学部医学科卒業 - 2006年-2008年
順天堂大学医学部附属順天堂医院にて
臨床研修医 - 2008年-2009年
さいたま赤十字病院 救急医学科 - 2009年-2012年
さいたま赤十字病院 消化器内科 - 2012年-2015年
国立がん研究センター中央病院
消化管内視鏡科レジデント - 2015年-2018年
明石医療センター 消化器内科 医長 - 2018年-2023年
神戸大学医学部附属病院 消化器内科 医員