- 「お腹は空くのに食べると気持ち悪くなる」
対処法(症状別 ) - 「空腹なのに食べると吐き気」を
起こす主な疾患 - 「お腹が空くのに食べると気持ち悪い」
何科?受診目安は? - 「お腹が空くのに食べると気持ち悪い」
症状が出る前にできるセルフケア - 「お腹が空くのに食べると気持ち悪さ」
を和らげる市販薬・胃腸薬 - 「お腹が空くのに食べると気持ち悪い」
ときの食べ物・飲み物の選び方
「お腹は空くのに食べると
気持ち悪くなる」
対処法(症状別 )
お腹が空けば、「何か食べたい」と思います。しかし、実際に食べ物を口にすると気持ち悪くなる、ということがあります。
似た症状として、「空腹は感じるけれど気持ち悪くて食べられない」「食後に頻繁に気持ち悪くなる」といったケースもよく見られます。
いずれも食事を楽しめない状態であり、精神的にも落ち込みがちです。また、何らかの病気が原因になっていることもあります。
それぞれの症状について、考えられる原因、基本的な改善方法をご紹介します。
お腹が空くのに食べると
気持ち悪くなる
原因
食事を口にするまでは問題はないけれど、飲み込む時やその後に気持ち悪さが出るという場合には、「胃食道逆流症」や「逆流性食道炎」が疑われます。胃食道逆流症とは、胃酸が食道に逆流することで不快な症状を引き起こす病態を指します。うち、胃カメラ検査で食道の炎症が認められた場合には、逆流性食道炎と診断されます。
改善方法
胃酸の分泌を抑える薬の内服、生活習慣指導を行います。
食事は、脂っこいもの・甘い物・刺激物・飲酒を避け、消化の良いものを中心とします。また肥満、不良姿勢も胃酸の逆流を招くため、その改善のための指導を行います。
空腹は感じるけど
気持ち悪くて食べられない
原因
空腹を感じる一方で気持ち悪さがあり食べられないという場合には、「胃・十二指腸潰瘍」を疑います。胃の痛みや胸やけ、吐き気、胃もたれなどの症状が見られます。これらの症状は、胃潰瘍であれば食事中・食後、十二指腸潰瘍であれば空腹時に現れる・強くなる傾向があります。重症例では、吐血や下血も見られます。
改善方法
胃酸の分泌を抑える薬の内服、生活習慣指導を行います。
消化の悪い食べ物、アルコール・カフェインを避けた食事を中心とします。消化器の働きを正常化させるため、規則正しい生活を送ること、十分な睡眠をとることも大切です。ピロリ菌の感染が認められる場合には、治療・再発予防のために除菌治療も行います。
食後に頻繁に気持ち悪くなる
原因
まず一番に考えられる原因は、食べ過ぎ・飲み過ぎです。そうでないのに頻繁に直後に気持ち悪さを感じる場合には、「機能性ディスペプシア」を疑います。
改善方法
胃酸の分泌を抑える・胃の働きを改善する薬の内服を行います。関連性が指摘されている飲酒、喫煙、睡眠不足などがあれば、それらを取り除くことも大切です。
つわりでお腹が空くのに
食べると気持ち悪い
原因
妊娠5~20週くらいは、特につわりの症状が強く出ます。つわりの症状としては他に、吐き気や嘔吐、胃の不快感、においに対する過敏、食事の好みの変化、強い眠気、疲労感、感情の起伏が激しいといったものが挙げられます。
改善方法
心身へのストレスをできる限り軽くし、十分に睡眠をとりましょう。
さっぱりしたもの、水分の多いもの、においの少ないものなら、比較的食べやすいと言われています。栄養バランスは大切ですが、「3食を完璧に食べる」とこだわり過ぎないようにしてください。
「空腹なのに食べると吐き気」を起こす主な疾患
空腹なのに食べると吐き気を起こすという場合、まずはストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れ、暴飲暴食が原因になっている可能性を考えます。
そういった原因が思い当たらない・改善したけれど症状が良くならない場合には、逆流性食道炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシア、胃がんなどの病気を疑う必要があります。
ストレス・睡眠不足・
生活リズムの乱れ
いずれも、自律神経のバランスを乱す要因です。自律神経のバランスが乱れると、胃腸の働きが低下したり、過敏になったりして、吐き気を感じることがあります。その他、腹痛、便秘・下痢などの症状を伴うケースもあります。
暴飲暴食
食べ過ぎや飲み過ぎは、過剰な胃酸の分泌を促し、吐き気や胃もたれの原因となります。誰でもたまにはそういう日があるかもしれませんが、胃炎や逆流性食道炎をはじめとする消化器の疾患、生活習慣病・がんなどの原因・リスク因子にもなるため、習慣にならないようにしてください。
逆流性食道炎
暴飲暴食、肥満、加齢などを原因として胃酸が逆流を繰り返し、食道粘膜の炎症が認められる病気です。胃もたれ、吐き気、胸やけ、ゲップ、呑酸といった症状を伴います。逆流性食道炎を放置していると炎症が慢性化し、食道腺がんのリスクが高くなると言われています。
胃潰瘍
主にピロリ菌の感染を原因として、胃の粘膜が深く傷ついた状態を指します。胃の痛み、胸やけ、ゲップ、吐き気、食欲不振などの症状が見られます。またこれらの症状は、食事中や食後に現れやすい傾向があります。非ステロイド剤抗炎症薬を原因として発症することもあります。
機能性ディスペプシア
胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、早期飽満感といった症状が見られる一方で、胃カメラ検査では器質的な異常が認められない病態です。早期飽満感とは、食べ始めてすぐに満腹感を感じ、本来の量を食べられないことを指します。
胃がん
ピロリ菌感染、塩分の摂り過ぎ、喫煙などを原因として発生するがんです。初期症状は少なく、胃の痛み、食欲不振、吐き気、胸やけといった症状がある程度進行してから現れます。重症例では、吐血や下血も見られます。
「お腹が空くのに食べると
気持ち悪い」何科?
受診目安は?
「お腹が空くのに食べると気持ち悪い」といった症状、および先述した似た症状が見られる場合には、内視鏡検査に対応している消化器内科の受診をおすすめします。多くは胃腸に問題があり、診断に胃カメラ検査が必要なケースが少なくないためです。
もしお近くに消化器内科がないという場合には、内科でも構いません。内科では、幅広い症状を診てもらえます。また、他の診療科へとつなぐ窓口の役割も担っています。
なお、つわりに関連する症状でお悩みの場合には、まずはかかりつけの産婦人科の先生に相談しましょう。
受診の目安となる症状

- お腹が空くのに食べると気持ち悪い等の症状が1週間以上続いている
- 胃痛、吐き気・嘔吐、発熱、タール便など他の症状がある
- 症状がだんだんと強くなっている、頻度が高くなってきた
- ストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れ、暴飲暴食がないのに症状が続く
- 市販の胃薬で一時的に症状が治まるが、飲むのをやめると再発する
- 吐血した、下血した(ただちに受診してください)
「お腹が空くのに食べると
気持ち悪い」症状が出る前に
できるセルフケア
食習慣を改善する
暴飲暴食、脂っこいもの・刺激部の摂り過ぎなどがあれば、まずは食習慣の改善に取り組みましょう。
栄養バランスを維持しながら、消化の良いものを食べます。また、早食い、夜遅くの食事なども避けます。
乱れた自律神経を整える
ストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れがある場合には、その改善・解消を図ります。これにより自律神経のバランスが整い、胃腸の働きの正常化が期待できます。
肥満を解消する
肥満は、腹圧を上昇させ、逆流性食道炎の原因となります。食習慣や運動習慣の改善で、適正体重までのダイエットを図りましょう。適度な運動は、ストレスや睡眠不足の解消にも役立ちます。
市販の胃腸薬を飲む
薬局やドラッグストアで購入できる胃薬を飲むという方法です。ただ、これはあくまで対症療法です。
飲むのをやめると症状が再発するという場合には、必ず消化器内科等を受診してください。
「お腹が空くのに食べると
気持ち悪さ」を和らげる
市販薬・胃腸薬
ファモチジン錠やH2ブロッカーなどが有効になります。
繰り返しとなりますが、これらの市販薬の使用は、あくまで対症療法です。原因となる病気の治療にはつながりません。また、市販薬を日常的に、長期にわたって使用することが、病気の発見・治療の遅れ、副作用による二次的な症状を招くこともあります。
お仕事などですぐに医療機関を受診できず、一時的に市販薬に頼ることもあるかとは思いますが、飲むのをやめると症状が再発する場合は必ず、また症状が改善しても念のため、消化器内科等を受診されることをおすすめします。
「お腹が空くのに食べると
気持ち悪い」ときの
食べ物・飲み物の選び方
「お腹が空くのに食べると気持ち悪い」という場合には、暴飲暴食、脂っこい物・刺激物の摂り過ぎを避け、消化の良いものを中心とした食習慣へと改善します。
食習慣を改善しても症状が続く場合は、当クリニックにご相談ください。
消化の良い食べ物
- お粥、やわらかく炊いたごはん
- うどん、そうめん(×ラーメン、そば)
- 食パン(×菓子パン)
- 鶏の胸肉、ささみ
- 牛のヒレ肉
- 白身魚(×フライ)
- 卵
- 豆腐、納豆
- 加熱したほうれん草、白菜、ニンジン、キャベツ、大根
- バナナ、リンゴなどのフルーツ
- プリン、ヨーグルト
避けた方が良い食べ物
- 揚げ物などの脂っこいもの
- 香辛料を含む刺激物
- 水分の多いものばかり食べる(水分を摂り過ぎは、吐き気・嘔吐を誘発することがあります)
その他
早食いをしない・よく噛んで食べる
早食いは、固形物が大きなまま胃へと入っていくことから、胃酸の過剰な分泌を招きます。時間をかけて、よく噛みましょう。
決まった時間帯に食事を摂る・夜遅くに食べない
胃腸の調子を整えるため、毎日、できるだけ決まった時間に3食を摂るようにしましょう。また、胃酸の逆流の原因となる夜遅くの食事は控えましょう。
適量の水分を小まめに摂る
水分を摂り過ぎると、吐き気・嘔吐を誘発することがあります。少量ずつ、小まめに摂るようにしましょう。空腹を紛らわせるためのがぶ飲みはしないでください。