女性に多い!?
虚血性大腸炎とは
虚血性大腸炎とは、大腸への血流が低下して循環障害を起こし、その部位で炎症が起こる病気です。40代くらいからご高齢の方までの、特に女性に多い病気です。
原因としては、慢性的な便秘、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に伴う動脈硬化などが挙げられます。突然の腹痛、血便、下痢などの症状を伴います。
ストレスが影響?
虚血性大腸炎の主な原因
虚血性大腸炎の主な原因は、慢性的な便秘に伴う腸管内圧の上昇、糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病に伴う動脈硬化にあります。
生活習慣病の原因となる生活習慣の乱れやストレスは、腸管内圧の上昇を招くこともあるため、注意が必要です。腸管内圧が上昇することで大腸の血流が低下し、循環障害が起こります。
虚血性大腸炎の症状

- 突然の腹痛(多くは左下腹部の痛み)
- 下痢
- 血便
またその他、ごく稀に腸閉塞をきたします。その場合は、吐き気や嘔吐、膨満感などの症状も見られます。
虚血性大腸炎の検査・診断
腹痛、下痢、血便といった症状は、他の大腸の病気でもしばしば見られます。
それらの病気を除外し、診断することが大切です。
問診
症状の現れ方、既往歴、服用中の薬などについてお伺いします。
また、お腹の聴診・触診をさせていただきます。
各種検査
腸管の形・便秘の状態・ガスの状態などを調べるレントゲン検査、炎症の程度を調べる血液検査、炎症の周囲への拡大を調べる超音波検査などがあります。
また、大腸カメラ検査では、カメラを介して炎症部を直接することができます。当クリニックでは、内視鏡の専門医・指導医による確実性の高い大腸カメラ検査を行っております。鎮静剤を併用すれば、ほとんど苦痛なく検査を受けられますので、安心してご相談ください。
虚血性大腸炎の治療
虚血性大腸炎の治療の基本は、安静と絶食です。
安静・絶食
ご自宅で安静にし、絶食していただきます。症状の回復具合を見ながら、徐々に食事を元に戻します。
点滴・入院が必要になることもあるため、自己診断せず、必ず医療機関で診断を受けた上で、安静・絶食をしましょう。他の大腸の病気と正確に鑑別するという意味でも大切です。
手術
大量の出血、腸管の穿孔・壊死などが起こった場合には、手術が必要になります。
速やかに提携する病院をご紹介します。
虚血性大腸炎は
再発・後遺症は?
虚血性大腸炎の再発率は、約10%程度と言われています。再発を予防するためには、便秘にならない食生活を取り戻すこと、生活習慣病を予防・治療することが大切です。なお、若い方、便秘を原因として発症した方は、比較的再発率が高くなります。
後遺症については、基本的にありません。ただし、強い炎症によって腸管が狭窄し、便の通りが悪くなることがあります。多くは特別な治療を必要としませんが、穿孔・壊死に至った場合には手術が必要です。
虚血性大腸炎の食事の注意点
症状改善後の食事の注意点
虚血性大腸炎は主に便秘・生活習慣病を原因として起こるため、このことを考慮した食生活の改善が予防に有効です。
便秘対策として有効なのが、食物繊維を意識して摂取することです。大麦・キウイ・大豆・小豆・納豆などに多く含まれる水溶性食物繊維と、大豆・小豆・切り干し大根・おから・干し柿などに多く含まれる不溶性食物繊維をバランスよく摂りましょう。
再発予防のための
食生活のポイント
治療では、数日間の絶食が必要となります。ただしそのあいだも、経口補水液やスポーツドリンクによって小まめに水分を摂取し、脱水を防ぎましょう。
症状が落ち着いてからは徐々に食事を元に戻しますが、量を抑えた、消化の良い食事から開始することが大切です。また、この時期には食物繊維の多い食品を避ける必要があります。
監修 池澤伸明

- 2006年
関西医科大学医学部医学科卒業 - 2006年-2008年
順天堂大学医学部附属順天堂医院にて
臨床研修医 - 2008年-2009年
さいたま赤十字病院 救急医学科 - 2009年-2012年
さいたま赤十字病院 消化器内科 - 2012年-2015年
国立がん研究センター中央病院
消化管内視鏡科レジデント - 2015年-2018年
明石医療センター 消化器内科 医長 - 2018年-2023年
神戸大学医学部附属病院 消化器内科 医員