大腸カメラ検査前の食事ガイド|3日前・前日のメニュー、コンビニ食まで専門医が解説
精度の高い検査のために「食事制限」が重要な理由
いけざわ神戸元町クリニックで大腸カメラ検査を受けられる皆様へ。 検査前の準備にご協力いただき、ありがとうございます。
大腸カメラ検査は、大腸がんやポリープなどの早期発見に不可欠な検査ですが、その精度は「大腸の中がどれだけきれいになっているか」に大きく左右されます。
腸内に食べ物のカス(便)が残っていると、小さな病変が隠れてしまい、見逃しの原因となります。そうならないために、検査数日前からの「食事制限」が非常に重要になるのです。
この記事では、日本消化器内視鏡学会専門医の視点から、検査3日前から前日までの具体的な食事メニュー、コンビニで選べる食事例、よくあるご質問(コーヒーやヨーグルトは?など)について詳しく解説します。
検査3日前~2日前の食事:まずは「消化に悪いもの」を避ける
まずは、腸に残りやすい食材を避けることから始めましょう。
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避けるべき食材(繊維質・種・脂質)
- 穀物:玄米、雑穀米、全粒粉パン、オートミール
- 野菜:きのこ類、海藻類(わかめ、ひじき)、ごぼう、れんこん、豆類、こんにゃく
- 果物:種のあるもの(キウイ、いちご、ぶどう等)、皮ごと食べるもの
- その他:脂っこい肉(バラ肉、脂身)、ナッツ類、ごま
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食べて良い食材(低残渣食)
- 穀物:白米(おかゆ)、うどん、食パン(6枚切りなどシンプルなもの)
- タンパク質:豆腐、卵、白身魚(タラ、カレイ)、鶏むね肉、ささみ
- 野菜:じゃがいも、大根、かぶ、人参(※いずれも皮をむき、柔らかく煮る)
- その他:具のないスープ、味噌汁(具なし)
検査前日の食事:終日「低残渣食」で過ごす
検査前日は、大腸を空にするための総仕上げです。朝・昼・夕の3食すべてを「食べて良い食材」のみで構成してください。
前日の食事メニュー例
- 朝食:おかゆ(または具のない素うどん)、卵豆腐、具のない味噌汁
- 昼食:食パン(種なしのジャムはOK、バター・マーガリンは少量)、白身魚の煮付け、皮をむいたじゃがいもの煮物
- 夕食:夜20時までに済ませてください。おかゆ、または市販の検査食。
コンビニや市販品を活用する
「忙しくて準備できない」「料理が苦手」という方は、市販品を賢く活用しましょう。
- 市販の「検査食セット」 3食分がセットになった専用の検査食は、消化が良く、腸内に残りにくいよう最適化されています。
- コンビニで選ぶ場合の例
- おにぎり(※のりはNG。塩むすびや、鮭・おかかなど繊維質でないもの)
- サンドイッチ(※レタスやハム、卵サラダはNG。シンプルな卵サンドやジャムサンド)
- 素うどん、おかゆ(レトルト)
- ゼリー飲料(※果肉入りはNG)
- プリン、カステラ、プレーンヨーグルト
検査前の食事に関するQ&A
コーヒーや
飲み物は?
水、お茶、スポーツドリンクは前日・当日も飲んでいただいて問題ありません。コーヒーは、ブラック(砂糖は可)であれば検査前日まで1~2杯程度はOKです。ただし、牛乳やクリームを入れたカフェオレ、ラテは脂質が多いため前日は避けてください。
ヨーグルトは
食べてもいい?
プレーン(無糖・加糖)タイプであれば、前日も食べて構いません。ただし、フルーツの果肉やシリアルが入ったものは絶対に避けてください。
うっかり指示と違うものを
食べてしまった…
食べてしまったものと時間帯を、正直にクリニックにお伝えください。特に前日に繊維質の多いものなどを食べてしまうと、下剤を飲んでも便が残り、検査の精度が落ちる可能性があります。場合によっては、検査日を変更した方が良いこともありますので、必ずご相談ください。
まとめ:正しい準備で、一度の検査を最大限に活かしましょう
食事制限は少し手間に感じられるかもしれませんが、これは一度の検査で正確な診断を得て、皆様の健康を守るために不可欠なステップです。
いけざわ神戸元町クリニックでは、皆様が安心して検査を受けられるよう、食事の指導から丁寧に行っています。ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

